— 独立型太陽光発電システム設計のヒント —

Step1 一日あたり必要な電気の量は?
機器の消費電力 × 一日平均使用時間 ÷ システムの電圧
複数の機器を同時に使用する場合は、消費電力はそれらの和とします。
ただし、直流と交流機器が混在する場合は、直流と交流ごとに計算し、最後に合計します。

 12Vのシステムで消費電力30Wのノートパソコンを一日平均6時間使用したい場合
 30W×6h÷12V=15(Ah/D)
 一日平均で15Ahの電気が必要とわかりました

Step2 一日あたりどれくらいの電流が必要?
平均的な一日の消費電力量 ÷ 補正係数(A×B×C) ÷ 年平均の一日当たりの平均日射時間
(A) 出力補正係数・・気象の変化や太陽電池表面の汚れや経年劣化などによる太陽電池出力の補正 → 通常 0.85
(B) バッテリー充放電損失補正係数・・バッテリーの充放電効率(Ah効率)にともなう係数 → 通常0.95
(C) その他の補正係数・・他にシステムとして動作させる上でのロス(損失)となるもの → インバータの変換効率は
  通常0.75~0.85
  ※交流機器はインバータを用いますので、変換効率は仕様書でご確認ください
 ♦ 一般的に1日あたりの平均日照時間は2.6~4.0時間(日射量:1000W/m2に換算)で、通常は3.3時間とします

15Ah÷(0.85×0.95×0.8)÷3.3=7.04(A)
 必要な電流が7.04Aとわかりました
  (インバータ変換効率を80%として計算)

Step3 機器を接続した状態で得られる太陽電池の最大電圧は?
バッテリーの公称電圧 × 満充電係数 + 電圧ドロップ
 ♦ バッテリーの公称電圧はバッテリーに記載されている電圧
 ♦ 満充電係数 → 鉛蓄電池は1.24
 ♦ 電圧ドロップ → 通常シリコン整流ダイオードで0.7V
 ダイオードは太陽電池の発電がない時に、バッテリーからの逆流を防ぐために使用します

 12V×1.24+0.70=15.58(V)
 最大電圧が15.58Vとわかりました


Step4 太陽電池を選びます
Step2の必要な電流値、Step3の最大出力動作電圧値以上の太陽電池を選びます
 ♦ 太陽電池の設置条件により十分な電力を得られない場合があるため、選定に際しては余裕をもたせることを
  お勧めします
 ♦ 仕様書にある「最大出力動作電流(Ipm)」「最大出力動作電圧(Vpm)」を参考にしてください
 ♦ 太陽電池の適用電圧がシステム電圧と合致するか確認してください
 ♦ 太陽電池を複数用いる場合
  太陽電池を並列に接続する場合、最大出力動作電流×枚数と計算(最大出力動作電圧は変わりません)
  太陽電池を直列に接続する場合、最大出力動作電圧×枚数と計算(最大出力動作電流は変わりません)
  ※回路電圧が30V以上の太陽光発電システムは電気工作物に該当します
   出力20KW未満(600V以下)の太陽光発電システムは一般用電気工作物に該当します
   一般用電気工作物の工事は、電気工事士の資格が必要です
 ♦ 太陽電池は太陽と直角になるように設置した場合に出力が最大となります
  冬至の頃の日中、太陽電池に影がかからない位置で南向き30度の角度で設置が理想です

 最大出力動作電流 7.04A、最大出力動作電圧15.58Vに適した太陽電池
 KIS社製太陽電池 AS140(140W、Ipm 8.00A、Vpm 17.5)
 KIS社製太陽電池 GT40(48W、Ipm 2.64A、Vpm 18.2)3枚でも対応できます


Step5 バッテリーの容量は?
一日あたり必要な電気量 × 連続無日照保証日数 ÷ (バッテリーの保守率 × 放電深度)
 ♦ 連続無日射保証日数は、太陽電池の発電がない状態で使用できる日数 → 通常 3~5日
 ♦ バッテリーの保守率は、充放電時の損失補正係数 → 鉛蓄電池は 0.8
 ♦ 放電深度は、定格容量から放電できる割合 → 通常 50%
 ♦ 鉛蓄電池はタイプや表記が様々ですので、用途や価格や保守管理などを総合的に判断の上、選定してください

 15Ah×3÷(0.m8×0.5)=112.5(Ah)
 必要なバッテリーの容量が112.5Ahとわかりました
  (連続無日照保証日数を3日として計算)


Step6 充放電コントローラーを選ぶ
充放電コントローラーの太陽電池入力電流 = 太陽電池短絡電流 ÷ 80~90%
充放電コントローラーの負荷電流 = 使用する直流機器の合計 ÷ (システム電圧 × 80~90%)

 ♦ 充放電コントローラーの各種制御機能などは、予め仕様書などで確認ください

 KIS社製太陽電池 AS140
 8.50A÷0.85=10(A)
  (保守率を85%として計算)


Step7 DC-ACインバータを選ぶ
インバータの出力電流=交流出力÷交流電圧
インバータの入力電流 = インバータの出力電流 × (交流電圧 ÷ (システム電圧×変換効率))

 ♦ インバータの変換効率 → 通常 0.75~0.85
 ♦ インバータには正弦波(サイン波)と擬似正弦波(矩形波)の2種類があります
  擬似正弦波の場合、一部稼働しない機器があります
 ♦ 機器によっては特に初動において定格電力より2~10倍の消費電力が必要な場合があります
  仕様書などで最大消費電力を確認し、それに適合するインバータをお選びください
 ♦ 交流機器を使用する場合、インバータは直接バッテリーと接続してください

 インバータの出力電流 15W÷100V=0.15(A)
 インバータの入力電流 0.15A×(100V÷(12V×0.8))=1.56(A)
  (インバータの変換効率を80%として計算)


はじめに必ずお読みください
この設計のヒントはあくまで参考であり、実際にお客様が製作される場合は、お客様の責任において製作・管理・
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